前立腺癌に対して小線源治療を受けた患者さんに対する情報公開―２００５年７月から２０１０年１２月に当院で治療を受けられた方へー

研究　日本における限局性前立腺がんに対するヨウ素 125 密封小線源永久挿入療法の長期予後に関する継続予後調査研究の実施について

1. 本研究の目的および方法

●『日本における前立腺癌に対するヨウ素 125 密封小線源永久挿入療法に関する前向きコホート研究』以下 :J POPS 研究 ) は 5 年間の患者さまの状態をみさせていただきました。その結果、前立腺がんで亡くなられた患者さまはほとんどいらっしゃいませんでした。
このことから前立腺がんに対して、ヨウ素125 密封小線源永久挿入療法が前立腺がんに対してとても効果があり、前立腺がんで亡くなる患者さまをなくすことに貢献している可能性があると考えております。
しかし、日本での長期の研究での報告はなく、海外でもほんの限られた報告しかないため、今回の臨床研究を実施し、患者さまのその後の健康状態と前立腺がんにおいてどのような治療を受けたかを長期にわたって調査させていただく研究を実施して、前立腺がんに対するヨウ素 125 密封小線源永久挿入療法が前立腺がんの患者さまのその後の健康状態にどう影響するかをみていきます。

●対象者は、2005年7月2010年12月の間に、 J POPS 研究にご参加いただいた患者さまです。
J-POPS 研究にご参加いただいた患者さまが来院された際の通常の診察および検査等の結果を使用します。なお、この研究のために検査、治療を受けていただくことはありません。

●研究全体の実施期間は、徳島大学病院医学系研究倫理審査委員会承認日～西暦2030年03月31日です。

●対象者は、全体で 1500 名、当院では 50 名を予定しております。

●本研究は、倫理審査委員会の承認を得て実施しています。

2. 研究に用いる試料・情報の種類および保管方法について

●利用する情報 J-POPS 研究で取得した患者さまの基本情報（登録番号、生年月日など）を利用します。本研究では、前立腺がんの治療経過として、PSA 値の推移、再発した場合には、再発部位、追加治療の種類、治療開始日を調査します。また、生存の有無、亡くなられた場合は、その死因や日時を調査します。さらに、全身状態の調査のために、介護認定レベル、認定日を調査します。

●管理方法データセンターへのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。個人情報保護のため、各実施医療機関において症例毎に対応表を作成して匿名化を行います。
対応表は、当院の研究責任者：泌尿器科学分野教授金山博臣が泌尿器科医局内の鍵のかかるキャビネット内に保管・管理します。対応表等については、可能な限り長期間保管し、少なくとも、研究の終了について報告された日から5年が経過した日までの期間、適切に保管します。

3. 本院以外の研究機関への試料・情報の提供

●他の機関に提供する場合には、EDC システムを利用し、匿名化された情報をデータセンターに提供します。

●他の医療機関からの情報一部、転院された患者さまの情報も、診療情報提供書を用いて、転院先の担当医から入手します。

4. 研究組織

＜主任研究者＞
奈良県立医科大学前立腺小線源治療講座田中宣道

＜研究事務局＞
独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床研究センター内 J-POPS 事務局

＜研究実施計画書作成者＞
奈良県立医科大学前立腺小線源治療講座田中宣道

＜研究実施計画書作成支援者＞
公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 TRI 小島伸介

＜データセンター＞
公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 TRI

＜統計解析責任者＞
公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 TRI 菊池隆

＜前立腺癌密封小線源永久挿入治療研究会＞（前立腺シード研究会）
代表世話人：
独立行政法人国立病院機構東京医療センター泌尿器科　　斉藤史郎
副代表世話人：
独立行政法人国立病院機構東京医療センター放射線科　　萬篤憲
医療法人社団美心会黒沢病院泌尿器科泌尿器科　　伊藤一人

＜J POPS 分担研究委員会＞
主任研究者：
独立行政法人国立病院機構東京医療センター泌尿器科　　斉藤史郎
副主任研究者
東京慈恵会医科大学　　放射線科青木学
古作クリニック　泌尿器科　　山中英壽

杏雲堂病院　放射線科　　土器屋卓志
独立行政法人国立病院機構　東京医療センター放射線科　　萬篤憲
青洲会クリニック　泌尿器科　　古賀寛史
医療法人社団美心会黒沢病院　泌尿器科　　伊藤一人
佐藤威文前立腺クリニック　泌尿器科　　佐藤威文
慶應義塾大学医学部　放射線科　　茂松直之
慶應義塾大学医学部　放射線科　　大橋俊夫
香川県立中央病院　放射線科　　片山敬久
奈良県立医科大学　前立腺小線源治療講座　　田中宣道
岐阜県総合医療センター　泌尿器科　　仲野正博
浜松医科大学　放射線科　　中村和正
京都府立大学附属北部医療センター　泌尿器科　　沖原宏治
駒澤大学　医療健康科学部　　馬込大貴

＜予定実施医療機関及び研究責任医師＞
全国約30施設（予定）

5. 研究結果の公表について

本研究の結果は学会や雑誌等で公表することがありますが、公表に際しては特定の研究対象者を識別できないように措置を行った上で取り扱う。

6. 研究資金および利益相反管理について

本研究は主任研究者及び前立腺癌密封小線源永久挿入治療研究会（前立腺シード研究会）が公益財団法人神戸医療産業都市推進機構と共同して実施する。前立腺シード研究会と公益財団法人神戸医療産業都市推進機構から研究資金を受け、本研究での費用は研究費より拠出され、患者への費用負担は発生しません。本研究の利害関係については、臨床研究利益相反審査委員会の審査を受け、承認を得ております。

7. 本研究への参加を拒否する場合

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方に人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

8. 研究責任者および連絡（問合せ）先

【研究機関】　徳島大学病院　泌尿器科
【研究責任者】泌尿器科学分野　教授　金山博臣
【連絡先】　　泌尿器科助教　楠原義人
〒770 8503 徳島県徳島市蔵本町 2-50-1 徳島大学病院泌尿器科　氏名金山博臣
電話：088-633-7159　ファックス：088 633 7160
【研究代表者】奈良県立医科大学　前立腺小線源治療講座　田中宣道

本研究への参加に同意しない場合は、連絡先までご連絡下さい