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腎移植について

 我が国で慢性腎不全のため透析療法を受けている患者様は、2011年には30万人を越え、現在も年々増加しています。腎臓の機能が低下してしまう原因には様々なものがありますが、その多くでは一旦低下してしまった腎機能をお薬などの治療で回復させることは困難で 「さらなる腎機能低下を食い止める」・「腎機能低下を遅らせる」ことが最大の治療目標と言えます。そしてさらに腎機能が低下してしまい、お薬だけでは体調を維持できなくなった場合、

腎臓の替わりとなる=腎代替療法 を選択する必要が出てきます。

腎代替療法 : 1)血液透析 2)腹膜透析 3)腎移植

冒頭で我が国の透析の推移をお示ししましたが、腎代替療法が必要になる患者数は年々増加しており、腎移植は腎代替療法の3本の柱の1つを担っています。

 透析療法では、体内に蓄積される尿毒素や水分の除去は可能なものの、造血・骨代謝に関連した内分泌作用に対しては、様々な薬剤を使ってそれらを補う必要があります。また長期透析に伴う不可逆的合併症の発症は避けられず、生活のQOLは徐々に低下してしまいます。
 一方腎移植は、腎代替療法として理想的な治療法であり、その成績は免疫抑制剤の進歩により飛躍的に向上しています。我が国では献腎提供が少なく、生体腎移植が大きな比率を占めているのが現状です。生体腎移植では、お互いのABO血液型に関わらず規定の親族間であれば移植可能であり、最近は夫婦間での腎移植も増加しています。

*ABO血液型不適合生体腎移植

ABO血液型不適合生体腎移植はすでに確立した治療法ですが、その施行に際して移植前に血液型抗体の除去・産生抑制を行わなければ、抗体関連拒絶反応を起こしてしまいます。以前は抗体産生を抑制するため術前に脾臓摘出が行われてきました。しかし、脾臓摘出は手術侵襲が加わる上、合併症の頻度も低くありません。一方リツキシマブはB細胞表面に特異的に発現している細胞表面マーカーであるヒトCD20に対するヒト・マウスキメラモノクローナル抗体であり、このリツキシマブを移植前に投与することで、memory B cellを消去しABO血液型抗体産生を低下せることにより、脾臓摘出を行うことなくABO血液型不適合生体腎移植が可能となりました。

  • ドナー抗体陽性例での生体腎移植

何らかの要因により、ドナー(臓器提供者)に対して抗体を既に産生してしまっている=クロスマッチ検査陽性 のレシピエント(臓器受容者)の間で腎移植を行う場合も、 ABO血液型不適合移植を同じような機序で、抗体関連拒絶反応を発症してしまいます。日本移植学会主導のガイドラインではリツキシマブの投与が推奨されていますが、未だこの薬剤使用に置いて保険適応がありません。当科では院内安全管理部の承認のもと、リツキシマブを用いたドナー抗体陽性レシピエントの生体腎移植も行うことが可能です。

  • ドナー(提供者)腎採取術

生体腎移植には、健康なドナーからの腎臓の提供が不可欠です。従ってドナーの方には腎臓に提供にあたって、出来る限りの摘出手術侵襲を少なくすることが重要です。当科では従来の開腹術と比較して侵襲の少ない腹腔鏡手術にて安全に腎臓の摘出を行っています。

臓器移植には、拒絶反応や免疫抑制による感染症発症リスクといった特有の合併症がありますが、近年の生体腎移植・献腎移植の成績は非常に良好です。

良好な経過を維持するためには、毎日の免疫抑制剤の内服管理をしっかりと継続してゆくことが重要です。

当科では、毎週木曜日13:00〜17:00 移植認定医・レシピエントコーディネーターによる腎移植外来を開設しております。腎移植後の定期の診察、腎移植希望者の術前診察・検査を専門に行っています。

また“腎移植を迷っている”や“一度詳しい話を聞いてみたい”といった相談のみでも受付ております。

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徳島大学大学院 医歯薬学研究部
泌尿器科学分野
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